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アルファサイエンス社長が来院―マーシャル博士とのご縁

先日、フランスのコスメシューティカルブランド、アルファサイエンス社のジュリアン社長がクリニックを訪問してくださいました。アルファサイエンスは、当院でも人気の高い医療機関専売ブランドです。同社が得意とするのは、変質しやすい抗酸化成分を安定化する技術。抗酸化成分は、酸素や光、温度、水分などの影響を受けやすいため、単に「何%配合されているか」だけでは、その実力を判断できません。

製剤の中でどれだけ安定しているか。
開封後も活性を保てるか。
肌に塗る瞬間に、どのような形で存在しているか。
そして、複数の抗酸化成分がどのように作用し合うか。

こうした点まで考え、「不安定な成分を活性型のまま肌へ届けること」を追究しているのが、アルファサイエンスです。その技術の礎となっているのが、マーシャル博士による長年の研究です。

実は私は、マーシャル博士が約15年前に開発した、フィチン酸とアスコルビン酸を用いたケミカルピーリング剤「BRA」を、発売当初から使い続けています。BRAは他社から販売されている製剤ですが、現在は販売終了となったホームケア製品「メラライト」とともに、当院で長く支持されてきました。その後、アルファサイエンスの「PTCセラム」を初めて知ったとき、メラライトと成分がよく似ていることに気づきました。さらに、こちらもマーシャル博士が開発した製品だと知り、迷わず導入しました。PTCセラムも、今では当院の人気製品のひとつです。

BRAについては、独自の工夫を加えながら長年使用するなかで、肝斑やくすみなど、主に色調の改善に高い効果を実感してきました。2019年には医学雑誌にその臨床経験をまとめています。今回、その雑誌をジュリアン社長にお見せしたところ、大変喜んでくださり、

「マーシャル博士に報告します」

と、掲載ページの写真を撮って帰られました。日本語で書いた論文ですが、自分が長年使い続けてきた製剤についてまとめたものが、海を越えて開発者本人の目に触れる——。そう考えると、私も少しわくわくしました。

今回の来日の目的は、新製品「ノヴァセル」のローンチです。診察室では、ジュリアン社長自ら、ノヴァセルについて熱のこもったプレゼンテーションをしてくださいました。主成分は、緑茶に含まれる特定のカテキン「EGCG」。マーシャル博士が約30年にわたる研究のなかで出会った、「最も科学的魅力に満ちた分子」なのだそうです。

一方で、EGCGは非常に不安定で、製品として活性を保つことが難しい成分でもあります。一般的な化粧品に配合される緑茶エキスは、複数のポリフェノールを含む一方、EGCGそのものを安定した状態で肌に届けることは難しいとのこと。アルファサイエンスは、このEGCGの安定化に5年を費やしました。細胞レベルから肌の健やかさと若々しさを支える製品として、ジュリアン社長は特に50代以降の方に使ってほしいと話されていました。もちろん、私もさっそく使い始めています。肌になじませると、上質な緑茶の香りがふわっと広がり、いつものお手入れが少し贅沢な時間になっています。

ノヴァセルは、日常のエイジングケアだけでなく、美容施術との組み合わせも期待できる製品です。治療前から使用して肌本来の防御機能を整え、施術によるストレスへの抵抗力を高める。さらに治療後も継続することで、施術効果を支える——いわば、美容治療の頼もしいパートナーです。

もうひとつ、今回の訪問をきっかけに導入を決めた製品があります。

アルファサイエンスで最も人気が高いという「メラブライト」です。主成分のシステアミンは、ハイドロキノンとは異なる作用機序をもつ成分として注目されており、くすみや色むら、肝斑への効果が期待される一方、独特の刺激臭があります。実は私自身、このにおいがどうしても気になり、これまで導入に踏み切れずにいました。ところが今回、ジュリアン社長から、においがほとんど気にならなくなる使い方を直接教えていただきました。「それなら使える!」と納得して、当院でも導入することにしました。くすみや肝斑が気になる方には、ぜひ一度お試しいただきたいと思います。

長年愛用してきた製剤への思いを直接お伝えし、新しい製品についてもじっくりお話を伺うことができ、楽しく興味深いひとときでした。ジュリアン社長、帰国前のお忙しい中、当院までお越しくださりありがとうございました。