先週末は日本美容皮膚科学会に参加してまいりました。今年は特にスポンサードセミナーが多く、例年よりぎっしりつまったプログラムだった気がします。後にオンデマンドでも聴けるので、現地では長丁場のシンポジウムをメインに聴いてきました。形成外科医や皮膚科医として長年美容医療に携わっている先生方の講演は、新しい知見のみならず治療の変遷も知ることができて勉強になりましたし、大学で研究されている先生の講演は、その信念と熱意がしっかり伝わってきて感銘を受けました。もちろん若い先生方の講演もいつも、新しい視点など参考になることが多くあります。導入したいと思っている製剤や機器のセミナーもいくつか聴きました。今後デモも予定しているのでじっくり検討したいと思います。新しい治療を紹介してくださる業者さんに“私は新し物好きじゃないから”とよく言っているのですが、話題になって流行った治療でもいつのまにか廃れていってしまうものもありますし、後に予期せぬ合併症が報告され大きな問題となることもありますので、治療の導入は慎重であるべきだと思っています。SNSだけでなく学会でもこれだけの情報が溢れている中で、必要かつ正しいものを取捨選択していく能力が求められる時代だと改めて感じました。これは、美容医療を提供する私たちだけでなく、利用される方々にも通ずることだと思います。
また、医師の技術の低下や横行する営利主義、その結果として増加の一途をたどる合併症やトラブルなど、昨今の混沌とした美容医療業界への懸念が多くの先生の言葉の端々に感じ取れました。その中で宮田成章先生の「大切なのはエビデンスであり、医師に必要なのはセンスよりもサイエンス」という言葉が印象的でした。私たちは、経営者やインフルエンサーである前に科学者だということ。おっしゃる通りだと思います。
お盆休みと万博の影響で、新大阪駅は大勢の人でごった返しておりました。学会場も過去にないほど参加者が多く、人も情報も溢れ過ぎていて身体も頭も疲れ果てて帰宅しましたが、学会はいつも、新しい知識を得る以上に自身の診療スタンスを見つめ直す良い機会であり、参加してよかったと思っています。HIFUの照射法などアップデートした知識は早速診療に取り入れていますので、また新しい効果を見るのも楽しみです。