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日本美容外科学会(JSAPS)@横浜

先週、横浜で日本美容外科学会が開催されました。パシフィコ横浜での学会はよくあるのですが、電車の乗り換えも多いし微妙に遠くて、1日ならよいけど連日となると移動で疲れて勉強する意欲が失せてしまうので、今回は泊まってしっかり体力と気力を温存して参加してまいりました!

実は、日本美容外科学会という名の学会が二つ存在するのをご存じですか?一つが、Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery (JSAPS)、もう一つは Japan Society of Aesthetic Surgery (JSAS)です。前者は美容外科は形成外科の一分野、後者は美容外科と形成外科は別の分野だという考えです。私はJSAPSに所属しています。

私は形成外科出身ですが、美容外科手術は行っておりません。大学病院含め、私が形成外科専門医を取得するまでに研修した病院は、美容外科をほとんど行っていなかったため学ぶ機会はなかなかありませんでした。おそらくそういう形成外科医はたくさんいらっしゃると思いますが、その場合は、自分でどこか施設を探して研修するということになります。私は、美容外科は自分には向いていない気がしていたし、当時それほど興味を持っていたわけではなかったので、研修の機会を設けないまま現在に至っています。美容診療において、手術でしか解決できないこともありますし、もちろん手術でできることの限界もあります。実際に手術はしなくとも、学会に参加して、最近どんな手術が行われているかを知ることは、美容に携わる医師としてとても勉強になります。

美容外科学会といっても、実際は美容皮膚科領域の講演も数多くありますが、なるべく外科領域の講演を聴くようにしています。今回も昨年同様、エキスパートの先生方の手術の動画を流しながら解説していただけるという、考えただけでわくわくするセッションがあり、その繊細な技術と素晴らしい結果を拝見して感動しました。そして、自分でもこんな手術ができたらいいなという思いが一瞬沸いてきましたが、生半可に勉強してできることではないということも改めて感じました。講演を聴くことは、講師の先生の「こだわり」に触れることができ、それは自分自身の仕事のヒントになることも多くて、学会で様々な「こだわり」を見つけることも楽しみの一つです。

別のセッションで、どんな医師を美容外科医と呼べるかという問いに対して、ある先生が、形成外科専門医であることは関係なく、常勤として働いているか否かだとおっしゃっていました。つまり、1週間ずっと朝から晩まで1日中その仕事をやり続けることが重要だということです。私も同感で、日々ずっと同じことを行っている、同じことを考え続けていることで、知識や技術だけでなく、臨床医としての判断力、延いてはセンスが磨かれていく気がしています。

今回もいろいろと学びの多い充実した学会でした。