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美容医療の在り方

先週末は日本美容皮膚科学会総会に参加してまいりました。4年ぶりに現地開催のみとなり、過去にないほど多くの参加者であふれていました。昨年まではオンラインで視聴していたスタッフも今回初めて現地参加。興味深い講演や熱いディスカッションを体感するというのは刺激的で楽しかったそうで、一緒に参加できてよかったなと思いました。

話は変わりますが、8月1日に放送されたNHKクローズアップ現代「その美容医療大丈夫? 最新施術トラブルから身を守るには」はご覧になりましたか?

メスを用いない“プチ整形”ブームが拡がり、美容医療は多くの方にとって身近なものになってきています。多くの方というのは、利用者だけでなく、医療側も含みます。つまり、利用者にとっても医師にとっても美容医療の敷居が低くなり、誰でも治療を受けやすくなった半面、十分なトレーニングを積んでいない医師が治療を行いトラブルも増えているという状況です。美容医療は正に日進月歩で、次々と新たな製剤や機器や治療法が誕生します。広く普及するものもあれば、効果がなくあるいは何か問題があり消えていくものもありますし、厚生労働省の承認を得ていないものも数多くあります。そしてどの製剤や機器を使うかの選択は医師の裁量に大きく委ねられています。新しい治療というのは、今までにない効果が得られる可能性もありますが、未知の部分も大きく、慎重にならないと予期せぬ合併症を生じてしまいます。脱毛やHIFUの問題がニュースでも取り上げられていますが、深刻な後遺症や合併症が起きるトラブルが多発しているのが現状で、学会や国も警鐘を鳴らし対策に乗り出しているという内容でした。

実は今回の学会でも、あちこちでこの問題が話題になっていました。昨今の乱立する美容クリニックは、SNSを活用して広告を繰り広げるエステサロンに近いクリニックと、特に広告はせずとも医師の技量により成り立っているクリニックが両極端にあるそうです。前者は、施術を行うのは医師ではなく主にスタッフのため、安価なこともあり若者や初心者は最初は前者へ行きがちですが、満足できずに次第に後者寄りのクリニックへシフトしていく、という構図だそうです。SNS上では誤った情報が溢れていて(驚いたことに、誤った情報を発信しているのは一般人だけでなく医師である場合も多く)、情報を鵜呑みにした利用者に知識のない医師が不適切な治療を行っている事例が後を絶たず、トラブルになっているとのことでした。同業者として大変残念なことは、美容医療を学問ではなくビジネスとして捉えている医師があまりにも多いそう。多くの先生方が皆さん熱量高くこの問題を提起しておりました。医療側はもちろんですが、利用者側も正しい認識を持ち、適切で安全な美容医療を受けて頂きたいと切に願いますし、日本の美容医療が今後正しい方向へ向かっていかなければならないと、私も改めて強く思いました。

よろしければ皆さん読んでみてください。

その美容医療 大丈夫? 最新施術トラブルから身を守るには – NHK クローズアップ現代 全記録