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東京医大皮膚科大久保教授退任記念会

先週末は、東京医大皮膚科大久保ゆかり教授の退任記念会に参加しました。大久保先生は、臨床以外にも、大学のため、女性医師のため、若手医師のため多方面で功績を残された尊敬する先生です。

私は、形成外科専門医を取得した後、女子医大形成外科に籍を残したまま、東京医大皮膚科で3年間研修させていただきました。同じ皮膚を扱う科でも形成外科と皮膚科は似て非なる学問であり、皮膚科学の勉強は新鮮で大変興味深かったです。また、形成外科は男性医師が多くいわば体育会系だったのですが、皮膚科は若い女性医師が多くて(当時医局にいらした年上の女性医師は大久保先生お一人)華やかな雰囲気でした。若い先生方には、手術の指導をしつつ皮膚科のことをいろいろ教えてもらいました。私が初めて皮膚科医として当直した日に、心配して夜遅くまで一緒に残ってくれたり、休日の当直で差し入れしてくれたり、たくさん面倒もみてもらいました笑。私は、年下の先生方から‘もとねえ’と呼ばれていたのですが、大久保先生も‘もとねえ’と呼んでくださっていたのが何だか嬉しかったのを覚えています。皮膚科研修は、形成外科医の私にとって非常に有意義な学びの機会で、楽しくてこのまま残りたいなとも思ったのですが、女子医大の教授からそろそろ帰ってくるように言われ医局へ戻りました。あれから20年近くの歳月が経っていますが、大学病院で若い先生方と一緒に必死に勉強した経験は、とても懐かしい思い出であると共に、その後も皮膚科医としてキャリアを積むことができ、私の医師人生に大きく影響しています。残念ながら現在皮膚科は標榜していませんが、美容皮膚科の診療においても形成外科医や皮膚科医としての経験がその基礎であることは言うまでもありません。 大槻先生曰く‘多才で貪欲で温かい’大久保先生は、今後も特任教授として大学に残られるそうです。大久保先生の講演を聴いて、先生のような大きな仕事はとても私にはできないけれど、せめて私も自分にできることを貪欲に取り組んでいかなくてはと身が引き締まる思いがしています。