MスキンクリニックMスキンクリニック

ブログ

日本美容外科学会(JSAPS)&スキルアップセミナー

先週はお休みをいただき、虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された日本美容外科学会(JSAPS)総会に参加してまいりました。例年よりもレーザーや注入などのセッションが多くて皮膚科の先生方も多数ご発表されており、美容皮膚科の需要がより高まっていると実感しました。人生100年時代と言いますが、長い年月を若々しく過ごすためには、最近は、手術の様に1回の効果は大きいけれど組織のダメージを伴いその後の施術が受けにくくなるような治療ではなく、低侵襲の治療を繰り返し行うことが好まれる傾向にあるとおっしゃっている先生がいらして、なるほどと思いました。きっとこれからは、患者様の美容医療への向き合い方も少しずつ変わっていくのでしょう。

また、先日の美容皮膚科学会でもJSAPSでも、皮膚全層を同時に治療していくことが大切だということが何度も話題に上っていました。いわゆる肌の若返り治療には様々な方法があり、表皮を主体に働きかける治療と真皮を主体に働きかける治療があります。主に紫外線の影響(光老化)で、メラノソームやケラチノサイトが増加するとともに線維芽細胞は減少かつ老化していきます。つまり、シミが生じると同時にハリが減少してたるみも生じます。シミの治療を行うにしても、表皮主体の治療のみ行うよりも、老化した組織を土台から立て直していくような真皮主体の治療も同時並行で進めた方が良いということです。先日、何年も通ってくださっているある患者様が、ボルニューマー(真皮主体の治療)を初めて受けられて「治療を受けて全てが良くなりました」とおっしゃってくださいました。「肌が元気になる感じ」と表現される方も多いです。言い得ていると思います。こういう治療を挟むことで、レーザーなど後に行う治療の効果も引き出しやすくなります。これもいつもお伝えしているのですが、同じ治療の繰り返しではなく、違う作用機序の治療を組み合わせた方が安全ですし、長期的に安定した状態を維持できます。

さて、私は、「とことんシミのレーザー治療」というなんとも素敵なタイトルのシンポジウムに登壇しました。シミ治療には種々のレーザーが使用されていますが、今回は全ての演者がピコ秒レーザーに関する発表でした。当院のPicoWayは3波長を搭載していて、波長とフルエンスを使い分け、そして照射法を工夫することで多様な治療を展開できるという点が、患者様にとっても医師にとっても一番の魅力ではないかと思います。ディスカッションも盛り上がり、私にとっても大変勉強になった有意義なシンポジウムでした。写真は、座長の石川先生、河野先生(実はお二人とも医局の先輩です)、そして錚々たるシンポジストの先生方と。学会から感謝状も賜りました(嬉しいです笑)。

週末は、名古屋でレーザーのスキルアップセミナーがあり、講師を務めました。定員をオーバーする先生方や看護師さんが参加してくださり、こちらも大盛況でした。有難うございました。このようなセミナーでは、単なるパラメーターの伝授ではなく、Wピコトーニングを始めとするレーザー治療の面白み、楽しさをお伝えすることができればよいなといつも思っています。

写真右は、ご一緒した立川皮膚科クリニックの伊東先生と。伊東先生のマニアックでアカデミックなご講演には刺激を受けました!